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忘れられない患者さん―名医たちが語る統合失調症とは (ライフサイエンス選書)
本, 中井久夫
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詳細
- タイトル: 忘れられない患者さん―名医たちが語る統合失調症とは (ライフサイエンス選書) de 中井久夫
- ISBN: 4897753643
- ファイル名: 忘れられない患者さん-名医たちが語る統合失調症とは-ライフサイエンス選書.pdf
- 発売日: 2018/1/22
- ページ数: 222ページ ページ
- 出版社: 中井久夫
平均的な顧客フィードバック : 4.1 5つ星のうち(5人の読者)
ファイル名 : 忘れられない患者さん-名医たちが語る統合失調症とは-ライフサイエンス選書.pdf (サーバー速度24.57 Mbps)
ファイルサイズ : 25.53 MB
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忘れられない患者さん―名医たちが語る統合失調症とは (ライフサイエンス選書)本無料ダウンロード - 内容紹介 精神科で人気の名医たちが赤裸々に語るインタビュー集(一部寄稿)。診断に迷う、治療方針に悩む、これは誤診? 医療制度に腹が立つ! そんなとき百戦錬磨の精神科医たちはどうしてきたか。医学教科書には載っていない「現場の苦悩と知恵」が満載。 問診の秘訣、難治例、悩み抜いた症例の数々etc.……名医たちはいったい何を語ったのか。 〈本書より一部抜粋〉 統合失調症という病気は治るんでしょうか?(臺弘) 精神科医は本当に切ない仕事ですよ。(北山修) 不思議な治り方をする患者が確かにいる。(中井久夫) 心は病まない。(神田橋條治) 医療に保安的、予防拘禁的な役割を持ち込むのは絶対にいけない。(伊藤哲寛) 薬を飲ませて寝かせているだけなんてアホでもできる。(新井昭紀) 俺は忘れた患者ばっかりだ(笑)。(計見一雄) 「オナラ、ブー! 」で緘黙が取れちゃった。(蟻塚亮二) ゼムクリップを飲んだ少年。(野村総一郎) BPDではなく慢性期統合失調症だった。(牛島定信) 病院への出勤は気が重く、夜も思い出しては苦渋を噛みしめた。(原田憲一) 〈目次〉 第1章: 私の診察技法、問診の秘訣とは ・Case1:重ね絵のごとく……/中井 久夫 ・Case2:患者さんまかせ/保崎秀夫 ・Case3:握手した手が、温かかった/臺 弘 ・Case4:患者さんが教えてくれた「一目置く態度」/伊勢田 堯 ・Case5:統合失調症雑感/神田橋 條治 ・Case6:あらゆる表現行為が難しく、消耗している患者たち/計見 一雄 ・Case7:統合失調症と診断されずに、転院を繰り返す患者さん/牛島 定信 ・Case8:幻聴が止まない症例を通した希有な体験/中村 純 第2章 思いがけない自死、患者さんを失うということ ・Case9:20年間、精神科医療と闘ってこられたAさん/安西 信雄 ・Case10:「治す」とはいったい、どういうことなのか/新居 昭紀 ・Case11:青年A君の診察を通じて/加藤 進昌 第3章 治った! 改善した! さまざまな状況からどう回復していったのか ・Case12:日内リズムに注目し、社会復帰した患者さん/融 道男 ・Case13:周囲の支えで巣立っていった患者さんたち/蜂矢 英彦 ・Case14:旅一座に入った少年/菅原 道哉 ・Case15:自衛隊の医官として診た、ある統合失調症患者の社会復帰/中田 輝夫 ・Case16:「とてつもない逸話」の数々/蟻塚 亮二 ・Case17:私のもとへ何度も戻ってきてくれたA氏/松下 昌雄 ・Case18:40年近く診てきたA氏の喜ばしい転帰/中根 允文 ・Case19:自分の中で疾患概念がガラリと変わった、ある症例/大塚 明彦 第4章 鑑定、難治例、診断、医療制度、悩み抜いた症例の数々 ・Case20:忘れられない患者さんたち、その出会いの中から/佐藤 壹三 ・Case21:精神科医になり、「初期統合失調症」を提唱するに至った症例/中安 信夫 ・Case22:「原点」を思い出させてくれた患者さんたち/伊藤 哲寛 ・Case23:苦い記憶/原田 憲一 ・Case24:患者さんから学ぶ「言語の役割」と「精神科医の仕事」/北山 修 ・Case25:忘れられない患者さん/市橋 秀夫 ・Case26:ヤスパース、クレペリン、そしてある女性患者/南光 進一郎 ・Case27:20年後、あの少年との再会/野村 総一郎 第5章 胸を刺した、あの言葉 ・Case28:一つひとつの言葉が織りなす、患者さんの人生/山本 昌知 ・Case29:或る残遺状態の患者さんとの別れ 「花を飾って欲しい」と言ったAさん/金松 直也 ・Case30:慢性期治療のあり方について教えてくれたYさん/西園 昌久 第6章 患者さんとともに歩んできた道 ・Case31:患者さんたちとともに/山崎 學 ・Case32:患者さんからいただいた感謝状/村崎 光邦 内容(「BOOK」データベースより) 教科書には載っていない「現場の苦悩と知恵」。絞り出された言葉の数々。
忘れられない患者さん―名医たちが語る統合失調症とは (ライフサイエンス選書)を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
この本に登場するのは32人の精神科医、中井久夫、䑓弘、保崎秀夫、神田橋條治、牛島定信、村崎光邦など、いずれも現在まで日本の精神医学を築いてきた重鎮たちである。彼らが語るのは、自身の臨床経験のひとこまに過ぎないが、そこに病とは何か、癒すとは何か、他者を理解するとは何かという深い問題につながる通路が隠されている。もちろん、これらの精神科医全員が、統合失調症について厳密に一致した概念を持っている訳ではない。しかし、このことは、治療に関する多様なアプローチの可能性を問わず語りに語っている。そのアプローチの端緒となるのが「忘れられない患者さん」なのであろう。しかし、執筆者の一人である計見一雄は「忘れられない患者さん」などは、精神科医のナルシシズムに過ぎない喝破する。「治療がうまく行ったら一般市民同士」なのだから自分にとっては「忘れた患者ばっかりだ」というわけだ。それは当然である。治療者の理想は、治療が奏効して医師−患者関係が上手に解消され、あるいは不要となり、忘れ去られることである。臨床は医師というアイデンティティを保つための手段ではないのだ。にも関わらず、多くの精神科医たちの「忘れられない患者さん」の物語が示唆に富んでいるのは、治療者の誠実な姿勢、病を好転させる・悪化させる多様な因子の発見、それに対処する様々な工夫が語られているからである。さらに、これら「忘れられない患者さん」の物語の中に、一つの通奏低音のように鳴っているのは精神医学の現状へのある種の危機感である。本来統計のためのマニュアルであったDSMのような操作的診断法が大きな影響力をもつ現状は、真摯に患者さんと向き合う力を削いでしまうのではないか。統合失調症は一つの疾患ではなく、症候群だという意見も多い。そうであればなおさら、個々の患者さんに即した、いわゆるTaylor-madeのアプローチこそが統合失調症治療に必要ではないか。「忘れられない患者さん」の物語は、こうした臨床の迷路(ラビリンス)を抜け出すための導き(アリアドネの糸)となりうるものだ。多くの臨床家、また患者さん自身や家族・関係者の人々も、この本からたくさんのことを学ぶことができるはずである。
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